海洋自然塾 ジープ島

20年程前、夜中にグラスを片手に地球儀をクルクルまわしていたら、実は地球は海ばかりだと気づき、
世界の海を見れるだけ見てやろうと思い、私は20代半ばより、世界中を旅してきた。
昨今、旅に関する情報は氾濫し、地球は狭くなったなぁ〜なんてつぶやく人もいるようだが、世界中を
旅して、イルカやクジラ、ラクダやらを追っかけているうちに、地球には大自然との出会いがまだまだ
沢山あり、地球は広かったんだと実感した。
旅では、常に新しい何かを感じ、自らの人生を向上させるきっかけとなり、その大自然の中から逞しく
なることと、穏やかになることを学んだ。

今や都会での生活は、物質的なものは身近に手に入り、大変便利になったが、同時に心を癒す自然、
特に大自然はなかなか手に入りにくくなってしまった。
都会にいると、あまりに人が多すぎ、人間に疲れてしまうことがよくあり、その生活というのは、いつ
しか心を衰弱させてしまう様な気さえしてくる。
しかし自然の中に入っていくと、それが逆転し、いつしか心が穏やかになり、目が澄んでくる。
大自然の懐に抱かれて、水と大地と魚との交流のなかで心が歓喜するのが分かる。
人間には抱きしめることのできる大自然が必要なのである。

太平洋真っ只中のヤシの木15本という無人島にテントを張りながら、泳いだり、魚を観察したり、ヤシ
の実をとったりする生活は、つらいすべてを忘れさせてくれ、生きる力と勇気を与えてくれるのである。
そして大自然の中に溶け込んで、大地の精を受け、目をらんらんと輝かせて、夢中になって挑んでゆく
姿の中に新しい自分を発見するだろう。

トラック環礁は、地球の大きさを女性の体に例えると、ちょうど子宮の大きさになるので、ジープ島は、
母なる地球の子宮に守られているともいえる。子宮の中のジープ島での無人島生活は私に、「自然と
の共生」の大切さを教えてくれた。
その自然との共生の中にこそ、多くの感動とエネルギー、そして安らぎが満ち溢れている。

今、都会の中で忘れられた何かがそこにはある。一周3分の島、自然からの贈り物でいっぱいの島。
ジープ島そのものが海洋自然塾。

サイトを訪れてくださった皆さんとジープ島でお会いするのを楽しみにしております。

                                    塾長 吉田 宏司